メダカ救出大作戦

これは平成6年12月4日の出来事です。
 
 
この年の秋に開通した大平山トンネルを抜けると、三里で一番自然が残っていたはずの池地区の変わり果てた姿が目の前に広がっていました。かつてはメダカゃザリガニ、ドジョウ、カメ、イモリ、ホタル、フナ、コイ・・・数多くの種類の生き物が棲んでいた水辺です。
造成が進みほとんど水たまりのようになりつつも、わずかに残った水路にたくさんのメダカ達の泳ぐ姿を見ることができました。
この日、このメダカ達を救おうという生態系保護協会の呼びかけに三里地区内外からたくさんの人が集まりました。
 
 
 
 
おった!おった!メダカがおった!!
 
アミとバケツをさげ長ぐつ姿で童心に戻り夢中になっている大人達、こうした水辺で思いっきり遊ぶこともままならない現代っ子達、みんなの歓声が響きます。
一匹残らず救出しようとみんな目を凝らしメダカ探しに一生懸命です。
この日救出されたメダカ達は、高知城のお堀や三里小学校のプールを仮の棲みかに、あるいはメダカの里親となった人々の家庭の水槽へと、それぞれ避難しました。
 
 
 
 
あれから6年・・・平成12年夏
 
三里小学校の開校120周年を記念して、校区内に小さなビオトープを作ることになりました。
実際に外に出て、みんなでビオトープづくりのための学習と作業をしました。
水生生物は、人が飲めるくらいきれいな水のところでしか生きていけない種、少し汚れた水でも平気な種などさまざまです。
メダカはその中間で、水がきれいすぎても汚れすぎても生きていけません。
メダカの生きていける環境は人にもやさしい環境です。
 
 
 
環境学習=水辺で遊ぶ
 
メダカのすんでいる池や川は、昔から子ども達にとっては楽しく遊べる場所でした。
今日はこの池で竹の水鉄砲で子ども達が遊びます。
池を作ってすぐなので水が濁っていますが、何日がたつとキレイになると思います。
小学校のすぐ近所に住んでいる「ワタナベのおんちゃん」はビオトープ作りや水鉄砲など竹のおもちゃ作りの先生。
今日の子ども達の表情はまさに「水を得たさかな」です。(^o^)
 
 
 
いよいよメダカの里帰り
 
今日はメダカ達の里帰りの日です。
6年前にメダカ救出大作戦に参加したお友達はもうずいぶん大きくなったことでしょう。
今日三里に里帰りしたメダカ達は当時のメダカ達の二世三世になります。
このメダカ達のふるさとの地には高知市の中心部から高知新港へと向かう新しい道路と大学が建設されました。
すぐ近くには高知県と高知市の統合総合医療センターも出来る予定です。
ここのメダカ達は開発によって生きる場所を失いました。
しかし日本中からメダカが少なくなった原因はそれだけではありません。
どうか子ども達とメダカ達の未来が明るいものでありますように。
 


この時救出されたメダカ達の一部は一時避難先として高知城のお堀を間借りしました。
三里小学校のプールもメダカ達の仮住まいとなりました。
その後春野町(現在は高知市春野)に高知県生態系保護協会が中心となってメダカトラスト1号地が整備されて再び引っ越し。
平成12年になって校区内にビオトープを作ろうという話が持ち上がり、メダカの里帰りが実現しました。