田所但波守の墓(種崎の灯とり墓)
【口碑伝説】
田所但波守の墓
種崎壽仙院の西方のあり、暗夜提灯を点じ行く時は此を取りに来る爲に火消ゆと云う。此の附近一帯に斯様の傳説あり畑を作れば病み木にふるれば痛むと。
「むらのことゞも 復刻版」三里尋常高等小學校編 昭和48年8月20日(原本は「村のことゞも」昭和7年発行)
種崎の灯とり墓
高知市種崎字古桑野というところに、明治のころまで壽仙院というお寺がありました。これは、慶長五年山内一豊が遠州から入国の時、潮江の要法寺の末寺として僧日等という人の開基したものであるといわれています。
この寺の西方に田所丹波守の墓というのがあって、昔はその墓の附近を夜間ちょうちんをとぼして通ると、その灯をとりに来るのでかならず灯が消えると言われていたということでございます。また、このあたりの畠を作ると病気になったり,墓の木にさわると体のどっかが痛むなどという話もあったといいます。
土佐の民俗叢書「土佐の傳説(第二巻)」桂井和雄著 昭和29年10月15日発行
0コメント