火除けの二本松

サンゴセンターから十津方面に向かう途中、道路の左手にあるコンビニエンスストア(ファミリーマート)の駐車場のあたりにあった松のことです。古くは6本の松の大樹がそびえ立ち「火除けの6本松」と呼ばれていました。

台風の被害に遭うなどで次第にその数を減らし、大正時代には2本だけになってしまいました。その二本松も昭和時代にはとうとう1本になってしまいます。その最後に残った老松がマツクイムシの被害にあい、伐採されたのが昭和42年のことです。切り倒された老松は、切り株の年輪から樹齢483年(推定)だったとされています。

火事や地震など災害が起きれば、村人がこの松をめがけて避難したことから「火除けの松」と呼ばれてきました。

昭和7年に三里尋常高等小学校の先生方の手によって編纂された「村のことゞも」という本の表紙にはこの二本松が描かれています。高く大きなこの松は遠くからでもよく見え、地域のシンボルツリー的存在だったであろうことが推測できます。

昔は今のような高い建物はありませんから、空に向かってそびえたつ松は、地域な中でも際立っていただろうと思います。